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2018年1月

2018年1月 7日 (日)

今年の宿題

皆様、明けましておめでとうございます。翻訳、リーディング、概要、その他様々なお仕事で昨年は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!

 

さて年末最終営業日の夕方まで納品でドタバタだった昨年。とにかく忙しかった2017年でしたが、特に印象に残っているのは編集者さんからのリクエストの変化です。「翻訳ものだと気づかないくらい、自然な日本語にしてください」というリクエストが急増した一年でした。

 

こういうリクエストは、翻訳する側にとってなかなかハードルの高い要求です。原文にそって訳せば、翻訳っぽさは残りますが、大きな誤訳や訳抜けなどのミスを防ぐことができます。読んで、調べて、書いて、練り直す翻訳は究極のマルチタスクで、そんな作業をしていると、改行の位置も、見出しも、頻出するキーワードも、大事な目印になるんですよね。日本の読者に馴染みのない情報が出てきても、(訳注)として挿入する方式なら原書のニュアンスを変える必要はありません。(地の文に盛り込む方式は、原文のニュアンスを変えてしまうのではないかとドキドキします)

 

もちろん出版翻訳の訳者さんは読みやすい文章に仕上げるのが元々お得意なのですが、納期がどんどん短くなる最近の傾向を考えると、時間をかけて推敲を繰り返す必要があるこうした作業は、さらにタフになるだろうなと思います。

 

こんな風に翻訳を捉えている私にとっては、「読みやすさ重視」のリクエストは今年に持ち越した大きな宿題です。でも「売れてる和書って、どんな文体なんだろう。最近あんまり和書読んでないわ……」というわけで、年末年始休暇は売れ筋の和書を読んでみることにしました♪

 

今回読んだのは実用書と新書ですが、書店でパラパラと立ち読みしてみると、単行本のレイアウトが目につきました。改行が多いのは以前からですが、一文一文が短く、行間も広い。太字で強調した個所が、今はさらにハイライトまでついているんですね。字が大きく、漢字は少な目。図表が豊富で余白も大きく、確かにこれなら読みやすいです。書き手と編集者そしてデザイナーが、読者を増やすために全力で取り組んでいるのがよく分かりました。

 

 

「できるだけ原書に忠実に」とリクエストされる学術書やジャーナリスティックな本も当然あるのですが、「読みやすさ重視」の傾向は今年も続くと思われます。編集者さんがイメージする「読みやすい本」をできるだけ具体的に掴みとり、訳者さんと共有するのが今年の大きな課題です。

 

というわけで、なかなか宿題の減らない私ですが(汗)、今年もたくさんの本を皆さんと一緒に世に送り出していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます!

 

 

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    私的冬休みの課題。ミスがなくなる・・・とはお約束できません(すいませんcoldsweats01

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           今年の冬は寒いですねsnow皆様ご自愛ください

 

コーディネーター 小口

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