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2017年9月29日 (金)

読み聞かせの楽しみ

昨年より月に一度、図書館での読み聞かせのボランティアをしています。


そこで、毎回悩むのが、本選び。

図書館で何時間も粘っては、軽く音読してみて、受けのよさそうな本、読んでみたい本を探します。


あるとき、ナンセンス絵本のような奇想天外な話を読んだとき。

「ここ、うけるぞ」というくだりになっても、子供たちの反応は今ひとつでした。

本当のところはわかりませんが、もしかすると、科学を下敷きにした、普通はこれがこんな風になるはずはないんだけど……という「外し」の面白さを楽しむような話だったため、その「普通」がどんな風なのかという説明なしでは、ただ単に突飛な話をしたように感じられたのかな、という気がしています。

そのとき集まっていたのは、幼稚園の年少さんか、それ以下の子が多かったので、小学校に上がった、もう少し大きな子がいれば、また少し反応が変わったかもしれません。


またあるときは、耳掃除のことを題材にした絵本を読んでみました。

リズムよく読めるくだりがあったり、登場人物の名前が一風変わっていたり、いろんなところにユーモアがつまった本で、図書館の棚で見つけたときは「これだ!」とうれしくなりました。

一緒にやっているボランティアの人たちも笑いながら聞いてくれたのですが、こちらも、子供たちの反応は今ひとつでした。

もちろん、私の読み方が未熟だった可能性が高いですが、もしかすると「耳かき棒」という名前にピンと来ない子が多かったのかな、とも考えました。

「みんなは耳掃除するかな?」「誰にやってもらうの?」などと、話を始める前にコミュニケーションをとり、集まっている子供の年齢によっては、最低限出てくる言葉の意味を伝えてから話し始めることも必要なのかもしれない、と考えさせられました。


逆に、反応の良かったのは以下のお話。

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『おたまじゃくしの101ちゃん』(加古里子作・絵、偕成社、1973年)

私自身、幼稚園や家でよく読んでもらいました。

味のある絵もさることながら、おたまじゃくしたちの様子が生き生きとおもしろく描かれていて、子供たちがお話の世界へすっと入り込むのが読みながら感じられました。


ほかには、

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『せんたくかあちゃん』(さとうわきこ作・絵、福音館書店、1982年)

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『まあちゃんのまほう』(たかどのほうこ作・絵、福音館書店、2003年)

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『どろんここぶた』(アーノルド・ローベル作・絵、岸田衿子訳、文化出版局、1971年)

などなど。

 

こうしたお話ならば、まず間違いはありません。

自分が小さいころに親しんだ本にも、特別な思い入れがあります。


それでも、たまには、もう少し変わった本も読みたくなります。

これから挑戦してみたいな、と思っているのはこの本です。

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『ごろはちだいみょうじん』(中川正文作、梶山俊夫絵、福音館書店、1969年)

全編関西弁(大和地方の言葉)で書かれた本書は、字を追っているだけで読んだときの面白さが想像でき、わくわくとしてきます。

はたして子供たちはおもしろく聞いてくれるでしょうか?


このほか、自然観察の話や、多様な価値観を知ることのできる話など、子供たちがいろんなことを気にしたり、調べるきっかけになるような話を読んでいければよいな、と考えています。


そんなこんなで、まだまだ手探り状態なのですが、恥ずかしがらずにやっていると、子供たちも温かく迎えてくれるので、それに励まされつつ、楽しくやっています。

ぜひ細く長く、続けていきたい活動です。


なお、昨年、いったん退職のご挨拶をさせていただきましたが、現在は自宅で一部コーディネーターの仕事を引き受けております。

そういったことから、持ち回りのコーディネーターブログにも戻ってまいりました。

最後になりましたが、皆様これからもどうぞよろしくお願いいたします。


コーディネーター松田

 

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