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2017年1月

2017年1月 5日 (木)

2017年初読み

帰省しなかった今年の年末年始。普段の暮らしにほんの少しだけお正月感をプラスして、あとはゆるゆると、できる限りの怠けをつくそうと決めました。

 

水回りとリビング、ベランダなど目につく所だけ小掃除(汗)し、家族四人で食べるぶんだけお節を作ったら、あとは本を片手にゴロン。口さびしそうに冷蔵庫を何度も開ける人がいようが、年賀状が手つかずだろうが(怠けすぎ)、気づかぬふりです。何もそこまで……と思わないでもないのですが、今回の私はとにかく我がままに振る舞いたかったようです(苦笑)

 

今年の初読みは、朝井まかての『すかたん』(講談社文庫)でした。読んでみたいと思いつつ、これまで御縁のなかった作家さん。大阪の青物問屋に女中奉公する江戸娘が主人公の時代小説です。

 

天王寺蕪に金時人参、難波葱に勝間南瓜と、大阪の四季折々の野菜が瑞々しく描かれています。昆布出汁のきいた白味噌仕立ての汁ものや、汁気をたっぷり吸った大根。ねっとり滋味深い里芋やお揚げさんの刻みが入ったうどん、金柑の甘露煮に蕪の粕漬け……。想像するだけでもお腹のなりそうな大阪のお番菜を、主人公の知里は、それはそれは美味しそうに食べるのです。

 

本書は主人公の恋物語も魅力ですが、知里が奉公する問屋内で繰り広げられる仕事哲学もなかなか。

「丹精した蔬菜を町の者と直に取引きすることで、食べる者と作る者が思いを通い合わせまする。旨かった、甘かった、香りが良かった……その声を喜びとして百姓らは仕事の甲斐といたし、大阪蔬菜はますます旨うなりましょう」

「仕事いうもんは片づけるんとちゃいます。どないな小さいことでも、取り組んだ物事の質をちょっとでも上げてこそ仕事や」

 

思わず奉公に出て教えを乞いたくなるセリフの数々。舞台は違えど、本質は翻訳の仕事にも通じるのではないでしょうか。

 

主人公の恋愛も無事着地し、「さぁ、もう一冊!」と思ったところで時間切れ。ご飯の仕度に仕事の準備と、リアル女中(主婦)の正月休みはあえなく幕を閉じたのでした。次の読書は、通勤電車のなかでしょうね。

皆さんは今年一番にどんな本を読まれましたか? ぜひ教えてくださいね。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

Photo          勢いのいい筆遣いが素敵な表紙。


Photo_2          宴のあと・・・箸置きだけ、ちょっと今年風に。

 

 

chickコーディネーター 小口chick

 

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