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2009年5月13日 (水)

ファーストレディになったサウスサイド・ガール

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ミシェル・オバマは、間違いなく、歴史上最も注目されたファーストレディだ。いわゆる社内恋愛、職場結婚といったカップルが、現在のように世界中の人々が関心を寄せるホワイトハウスの住人になるなど、予想もしなかったことだろう。

オバマ氏の生い立ちについては自伝などに詳しく紹介されているが、決して順風満帆ではない複雑な環境の中で、彼の唯一無二の人間性が育まれたことを思うと、いっそう感慨深い。

ミシェル夫人の場合は、オバマ氏のような複雑さはなく、むしろ愛情に満ちあふれたコミュニティの中ですくすくと成長した ordinary family 出身の女性、といった印象だが、エリートの一言で片付けるわけにはいかないなぁ、この人は、と思わせてくれるユニークな成長過程と経歴があり、それがまさしく本書の核になっている。

本書の冒頭には、写真が数多く紹介されていて、その楽しいオープニングに期待が高まる。

どこにでもいるような少女時代の自然なミシェル、希望に燃える目をした学生時代のミシェル、妻となってからのミシェル、母としてのミシェル……。

人生のステージを、それがどんなに予想外に展開しようとも、逃げることなく、正面から受けとめ、きちんと考えて消化し、自身の意志としての役割を果たしている人だけが持つ、目の力強さ、凛とした美しさが漂っている。

立場的には激しく違うが、世代的にはかなり近い私など、本書をコーディネートしながら、「だめだ、何かが足りない」「私って、なんて小さいヤツなのだろう」と肩を落としたものだ。

オバマ大統領の就任、そして、四人家族がホワイトハウスの住人になったことで、ホワイトハウスが今までいちばん、住まいとしてもハートウォーミングな場所に感じられるのは、ミシェル夫人の魅力によるところが大きいのではないだろうか。

多くの人に読んでいただきたい1冊だが、とくに女性の皆様、アラサー、アラフォー、アラフィフ、アラカンの皆様にオススメしたい。

誰の人生でも先のことなどわからないのだ、としみじみ思いながら読むのがいい。相田みつを氏の「そのとき どう動く」を堂々と生きている女性の人生がそこにある。

オバマブームがあり、オバマニアなる言葉も生まれて、その勢いと流れに乗ったミシェルブームである。

訳出作業は非常にタフなスケジュールになった。

尤も「旬」な本とはこういうものなのだろうけれど……。

ノンフィクションのため、裏を取るといった確認作業が必要になる場合も多い。

それをこなしたのは翻訳を担当された清川幸美さんのパワーとスキルなのだ。

清川さん、ありがとうございました。

(コーディネーター N.YAZAWA)

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『ミシェル・オバマ アメリカを変革するファーストレディ』ライザ・マンディ 著/清川 幸美 訳/渡辺 将人 監訳・解説

           

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